山梨県/知事記者会見(平成23年8月24日水曜日)
山梨県・アイオワ州姉妹締結50周年記念事業実施状況について
知事
8月11日木曜日から8月18日木曜日まで、アメリカ合衆国アイオワ州、カリフォルニア州のナパバレー、カリフォルニア州ロサンゼルスを訪問し、アイオワ州との姉妹締結50周年記念行事への参加、ナパバレーのワインツーリズム視察、在ロサンゼルス日本国総領事公邸での「富士の国やまなし」魅力説明会・交流会を行なったということであります。
アイオワ州は、皆さんご案内のとおり、本県と姉妹提携を結んで50周年になるわけであります。これは日本とアメリカの自治体レベルでの姉妹提携としては第1号のものでありまして、昭和34年に本県が大水害に見舞われ、それに対してアイオワ州からアイオワ豚、アイオワの豚が有名なのですが、35頭が送られ、同時にそのための飼料、トウモロコシが送られたということをきっかけにして姉妹提携が結ばれたわけであります。そこで、アイオワ州では県議会訪問団、青少年訪問団とともに、「平和と友情の鐘」の再奉納式に参加し、山梨を愛する多くの州民の皆様と、50年前の本県の台風災害の際に、暖かい支援の手を差し伸べてくれたアイオワ州民との交流の歴史と友情の証を確かめた。
この鐘は、1962年に本県から贈ったものであるが、鐘楼が老朽化したため、この度、アイオワ州民の寄付により修復され、併せて周辺の庭園整備がなされた。再奉納式のあと、参加者の皆様と「平和と友情の鐘」を鳴らし、東日本大震災で亡くなられた方々を追悼した。
また、「姉妹締結50周年記念式典」において、ブランスタッド知事と覚書を締結し、これまでの友情と信頼に基づいた姉妹関係を維持するとともに、産業経済、教育文化、青少年交流などの分野において、さらなる友好親善の促進と世界平和に寄与することを確認したということであります。
アイオワ州では大変に大きな歓迎をしていただきました。去年アイオワ州の訪問団が来たわけでありますが、それに対して本県が歓迎をし、とりわけ信玄公祭りにアイオワ隊として参加したりしてくれたわけでありますが、そんなことが非常に印象に残っているようでありまして、率直、本当に心のこもった歓迎をしていただいたと思っております。アイオワ州と山梨県は非常に遠く離れておりますし、とりわけて経済的な取引が何かあるということもあまりありませんし、あまり似通ったところもないところでありますけども、先ほど言ったようなきっかけで姉妹提携が行なわれて50周年になる。それをアイオワ州の皆さんは、大変に大事にしているという印象を強く受けたところであります。先ほども話がありました「平和と友情の� �」は当時の天野久知事が送ったものでありますが、まさに日本のお寺にあるような鐘つき堂で、その中に梵鐘があるわけです。当時としては相当なお金が掛かったものだと思いますけれども、山梨県人のお礼の証としてお贈りをしたわけであります。それを今回アイオワ州が州民の寄付によって立派に修復しまして、本当に立派なものになっておりました。これは、アイオワ州の州議会議事堂の前庭にありまして、大変良いところにありまして、この鐘つき堂は少し高台になっているのでこのデモイン市という州都が全部見渡せるようなところです。したがって、そこで鐘をつけばデモイン市全体に響くというというようなところにあるわけです。アイオワ州の皆さんがこの山梨県から送られた梵鐘というものを大変に大事にしているとい うことがわかりまして、我々としては非常に嬉しく思ったところであります。今回50周年を踏まえて、さらにひとつ交流を継続し、深めていこうという覚書を締結したわけであります。なかなか具体的にどういうことをこれからやっていくかということについては、まだ今の段階で決めているわけではありません。なかなかあまり経済的な具体的な貿易をやるとか、そういうことは現時点では難しいという感じがしております。今回も高校生30人をホームスティで連れて行きました。それから同時に高校生を中心に15人のブラスバンドを選考して一緒に行ってくれたわけでありますけれども、大変それがアイオワ州の皆さんからも喜ばれ、可愛がられたということでありますから、これからもそういう青少年交流、ホームスティといったこと� ��はじめとする青少年交流というようなものを中心に続けていったら良いのではないかと私は思っているところであります。
大恐慌をダーニング生活
ナパバレーでは、ナパ市の市長や観光協会会長のご案内により、もてなしの玄関口となるウェルカム・センターや整備された街並、観光客に人気の高いワイントレイン、受入体制の整ったワイナリー、ワインと食材を活かした世界的な料理大学など、ワインを核とした多様なツーリズムのあり方を目の当たりにし、本県ワインツーリズムの参考とすることができたということであります。このナパバレーというのはご案内のように世界のワインツーリズムのメッカと言われるところでありまして、毎年数百万人の人々が訪れる最もワインツーリズムの盛んな典型的な土地であります。いろいろな意味で大変参考になりました。ナパ市長に、ひとつはナパ市というのは何でこのように繁栄しているのですかという事を聞きますと、それはそ� ��良いワイナリー、良いワインがあるということだけではないんですと、良いレストランと良いホテルがあるということが極めて大事であり、それに加えて、ワイントレインをはじめとして、いろいろな観光施設というものがあるということが、私たちのこの地域が発展している理由でありましょうと言っておりました。やはり、ワイン、ワイナリーだけではなくて、そこに特に良いレストランがあるということがワインツーリズムには大変大事だという感じがしたところであります。同時に、ナパ市として一番大事な仕事は何ですかと聞いてみると、我々が今一番一生懸命やっているのは洪水対策ですと。ナパ川という川があり、これが時々氾濫する。これが非常に困っており、これを国と州から支援を受けて約100億円くらいの事業であ� �ますが、洪水対策をやっている。そして、その川には洪水対策をやったうえで川沿いには遊歩道とか、中世風の街並みを復元したりしているということでありました。市というのはやはりそういう基盤整備を中心にやっているということです。具体的に観光振興はどこがやっているかというと、観光協会というのがあって、協会長がいましたけれども、この観光協会が中心になってやっており、そのお金というのはそのホテルの売り上げの12%を拠出してもらって、それでいろいろな観光イベント、観光施設の整備等を行っているということであります。これはいろいろな国情がありますから日本に直ちにということではないのですけれども、そういうように行政と民間とのある分担関係というものができていると思いました。
ロサンゼルスでは、市場視察の一環として、高級スーパーと低価格スーパーの比較視察を実施しました。高級店では、本県企業の商品の陳列も見られたところであります。これは「はくばく」が、うどんやそばの乾麺を、「はくばく」産として売っておりました。聞いてみると、この「はくばく」産の乾麺というのはアメリカのスーパーの大部分に置いてあるということでありまして、あらためて「はくばく」という会社が非常に販売の努力をしてきたということを感じたところであります。
今回のロスでのプロモーションにも協力をいただいた日本食の輸入会社である共同貿易を訪問したところであります。共同貿易は、日本食材輸出のパイオニアであり、金井会長自らが、アメリカにおける寿司や地酒ブームの仕掛け人でもある。リーマンショック以降も、10パーセント以上の成長を続ける日本食市場の有望な将来性について、詳しく説明いただき、地道な営業活動による研ぎ澄まされた現地感覚こそが、将来の県産品の販路拡大に結び付くとの貴重なご意見をいただいたところであります。
また、在ロサンゼルス日本国総領事館と山梨県人会の協力を得まして、これは総領事公邸でありますけれども、「富士の国やまなし」魅力説明会・交流会を実施したところであります。この会においては、富士山をはじめとする観光資源の紹介とともに、ロスで活動する事業者など20社の協賛を得る中で、甲州ワイン及び日本酒と食とのマッチングを楽しむ「ワイン&サケ・セミナー」の実施や、試飲コーナー、県産食品試食コーナー、伝統工芸品等の展示コーナーも設置し、広く本県の魅力をPRすることができました。
当日は、現地の政府関係者やメディア、流通事業者、旅行会社など80名を超えるキーパーソンが参加しまして、皆様から非常に印象が強く、興味深いイベントであったとのお褒めの言葉を多くいただき、日本食人気が定着しているロサンゼルスにおいて、本県について一定の認知度の向上が図られたと考えております。
今後は、今回築いたビジネスキーパーソン等との関係を活かし、県人会や現地の貿易事業者の協力を得ながら、さらなる山梨の認知度向上と、将来に向けて、アメリカに対して観光客誘致と県産品の輸出促進を図っていきたいと考えているところであります。
calderbankのオファーは何ですか
何といっても、ロサンゼルスは日本から行った場合はアメリカのゲートウェイでありまして、何を始めるにもロサンゼルスからスタートしていくのが一番いいと言われているところであります。あらためて痛感したのは、アメリカで日本食がとても人気を上げて、しかも急成長しておりまして、アメリカの日本食レストランは合計1万4千軒あるわけでありますけれども、そのうち最近5年間で5千軒増えているわけであります。それからザガット・サーベイという、皆さんご存じかどうかフランスのミシュランに対応するアメリカの料理評価雑誌があるのですけれども、ザガット・サーベイが評価したロサンゼルスで名店と言われる100のレストランの中で、日本食レストランが30店であったということであります。100の評価されたレストラン� ��うち1番目から4番目が日本食レストランであったということでありまして、ロサンゼルスでは今やフランス料理、中国料理よりも日本食料理の方がはるかに評価され、普及しているとのことでありました。そのような中でありますから、当然、日本食の食材が急成長を遂げておりますし、日本酒も、通常の日本酒ではなく、いわゆる大吟醸が大変ブームになっております。その中で日本食に合うと言われる甲州ワインをアメリカ市場に出していくチャンスは大いにあると感じたところであります。
従来、東アジアに向けて県産品の輸出等を考え、また甲州ワインについては、ロンドンでPRして参りましたけれども、アメリカ市場においても大いにチャンスがあるのではないのかということで、アメリカにアプローチしていくことも今後は引き続き続けていきたいと思っております。
以上で、私の説明を終わらせていただきます。
発表事項以外の質疑応答
民主党代表選について
記者
民主党の代表選が迫っておりますが、現在の国の状況を踏まえて、代表選、総理大臣を選ぶ選挙ですけれども、どのような選挙であるべきか、知事は何かお考えがございましたらお願いします。
知事
3日間で行うわけです。それが、短いという議論もあるかもしれませんけれども、今の東日本大震災をはじめとする様々な課題が山積している状況の中で、(民主党)代表選に時間を取っているわけにはいけないわけですから、3日間で選挙を行うのはやむを得ないことだと思います。しかも、選挙人は国会議員でありますから、それぞれ候補者の人となりはある程度分かっていますし、それぞれの主張も、当然討論会は行うのでしょうけれども、そのような中で評価することができる見識は持っている方々ですから、3日間の選挙戦で十分必要な議論を戦わした上で、国会議員一人ひとりが見識を持って、一番良いと思われる代表を選んでもらいたいと思っております。
今回、東南アジア、そしてアメリカを回ってみて、改めて日本の政治がいかに世界の中で評価されていないかを感じたわけであります。アメリカである人が、「日本には総理大臣はいない国だと、我々は思っておりました。」と言っておりました。しかし、東南アジアもそうだしアメリカもそうですけれども、日本の経済力の存在感は依然としてあるわけです。それから日本文化についても先ほどアメリカで日本食が急速にブームになっていると話をしましたけれども、日本文化も非常に存在感を世界の中に増しているのです。それからもう1つ非常に大きいのは東日本大震災で日本人は大したものだと、本当に冷静に秩序を保ちながら、お互いに助け合いながら復興に努力している。日本人はすばらしいと、日本人に対する存在感という ものに対する評価が非常に高まっていると実感いたしました。それに対して、政治が何も決められないと、日本の経済、文化、日本人と政治とのギャップが非常に大きくなってきているということでありまして、是非とも次の代表、総理大臣はそのギャップを埋める存在感ある政治が実現できるような人を選んでもらいたいと思うわけであります。
特に実行することは分かっているわけでして、当面は東日本大震災、福島原発事故への対応をしっかり行わなければならないことと、2番目はデフレ経済から脱却して、経済の成長を図っていかなければならないことであり、3番目は社会保障と税の一体改革を進めなければならない。4番目はTPPを進めるかどうかはともかくとして世界のグローバル化が進んでいる中で、日本を、経済社会をグローバル化に対応したものにしていかなければならないことなのです。他にもありますけれども、実行することは分かっているわけだから、そのようなものをきちんと1つ1つ解決していく、前進していく人でなければならない。人気取りとかパフォーマンスとか、あるいはポピュリズムとか、そのようなものではない、緩急軽重がしっかりと判断で� �る人であってもらいたいことと、やはり官僚をはじめ与党もそうですけれども組織力を生かせる人でなければならないと思いますし、それから野党とも一定の信頼感に立って話し合いができる人でなければならないと思いますし、そのような人を是非選んでいただきたいと思っております。
それから本県出身の小沢鋭仁先生が意欲を燃やして立候補の決意を固めておられるわけで、我々としては大変に心強いことだと思っております。総理大臣になれば、石橋湛山先生以来の快挙でありまして、我々としては大変に期待しているところであり、頑張っていただきたいと思っております。特に政策面では小沢(鋭仁)先生は、他の候補に全く負けない、それだけの見識を持った方だと思いますので、そのような政策を訴えていただければ、必ずや可能性はあるのではないかと期待しているところであります。
リニア中央新幹線中間駅の費用負担について
記者
女性は市民権の間に行うことができましたか
リニアの費用負担についてお伺いできればと思うのですが、周辺の複数市長が費用負担できないと表明していることについて、知事としては費用負担についてどのように感じているのでしょうか、今現在のお考えをお願いします。
知事
前から言ってますように、費用負担の問題は今の段階は山梨県も神奈川県も長野県も岐阜県も沿線の駅が設置される県は全額JR東海が負担しろと言っているわけなのです。今の段階で地元が負担するとは、我々は言ってはいないわけです。JR東海が鉄道施設としての駅は全額負担すべきだと、これは他の県も同じ考え方であります。これから関係の県が連携しながらJR東海と協議していくということであります。そのような中で、仮に地元も一部負担することになった時には、国も巻き込んでの議論になると思いますけれども、なったときには、初めてそこで県がどのような負担するのか、市町村が負担するのかしないのかという議論が起こってくるわけです。それについては、前にも申し上げましたが、まだ議論するのは少し早いわけで� ��。駅の費用負担の問題は着工までに決まっていけばいい話であって、後3年やそこらの余裕はあるわけです。だからゆっくりしていればいいものではないわけですけれども、早く決めればそれは結構なことだと思いますが、まだ時間的な余裕もありますから、沿線の各県が一緒になってJR東海とよく交渉し、その中で負担はどうしますかと決める。その結果として、地元負担が仮に出てきたときにはどうするのか、沿線の各市町村の皆さん等を含めて協議していかなければならないと思っているところです。
県職員の犯罪再発防止策について
記者
知事が山梨県にいなかった時の話ですが、県職員の不祥事で偽装結婚の問題があったのですけれども、知事として今後どの様な再発防止策をとっていくのかお考えをお聞かせいただけないでしょうか。
知事
またそういう不祥事が発生いたして、その結果として県庁、県職員に対する県民の信頼が大きく損なわれることになったわけでありまして、大変に残念な遺憾な、また申し訳ないことだと思っております。もちろん本人に対しては、事実関係をしっかりと調べた上で厳しい懲戒処分を行うことにしているわけでありますけれども、今後の再発防止策については、現在、民間の方々による不祥事防止対策の懇談会的なものをつくっておりまして、これが会議を重ねていただいております。8月中(を目途に)に結論を得ると前から申し上げてきたわけでありますけれども、議論していただいておりますので、その不祥事防止の民間有識者の懇談会のご意見というものをしっかり踏まえてそれをきちんと実施していくことによって再発の防止を 図っていきたいと思っております。
富士山噴火に対する防災対策について
記者
防災に関することで1点伺いたいことがあるのですけれども、富士山の噴火に対する備えについて地元では、例えば北麓地域の協議会、あと静岡県と山梨県との協議会、あと神奈川県を含めた協議会など様々な協議会があり、協議会があり過ぎて話が進んでいないという指摘を聞いたことがあるのですが、富士山の噴火に備えた、例えば他県との協力体制の仕方など今後の県の考え方についてお聞かせいただけますでしょうか。
知事
富士山の噴火に対する防災対策、大変に大事な課題であると思っております。であるが故に、今回東日本大震災を踏まえた本県の地域防災計画の見直しをするための山梨県防災会議での議論の中で、この富士山噴火対策を重要な課題の1つとして取り上げることにしまして、従来の地震部会(・水防部会)のほかに新たに富士山火山部会というものをつくって、そこで集中的に議論していただくことになっております。確かに富士山の噴火対策については、例えば三県(山梨県・静岡県・神奈川県)サミットの場でも主要な議論となってお互いに1つのマニュアル(災害時等3県相互応援マニュアル)をつくって、仮にどこかが噴火した時には、その地域は大変ですけれども、周りの県もすぐ応援できる体制をつくっていこうということを議� ��して、一応お互いの協力体制はできているということですが、どうもそこのところに様々な会議があり過ぎて議論があまり前に進まないということは初めて聞きましたけれども、そうではあってはならないことでありますから、よく私も聞いてみたいと思います。いずれにしても、それぞれの会議は必要に応じてできたものでありますので、この富士山噴火対策をこの際しっかり進めていくという前提のもとで、それぞれの会議での議論も入れながらきちんとした計画をつくっていきたいと思っております。
山梨県環境整備センターにおける再発防止策について
記者
近く明野処分場の安全管理委員会が開かれるのですが、どの様な再発防止策を示していかれようとしているのかお聞かせいただけないでしょうか。
知事
再発防止策については、8月30日に安全管理委員会を開いて議論してもらうことになっております。具体的にどういう再発防止策ということは、その場でまず申し上げなければならないことでありますから、今ここで申し上げることは適切ではないと思いますけれども、原因究明を踏まえてどうしたらいいかという議論を今事務方で続けているところでありますので、その県としての案をお示ししてご意見を聞いていきたいと思っております。
民主党代表選について(追加質問)
記者
代表選に話を戻しまして、争点、あるいは争点にすべきではないと言われておりますけれども大連立をするかどうか、復興のための増税をするかどうかということについて知事ご自身どの様にお考えかということをお伺いしたいと思います。
知事
大連立については、私はそうすべきではないかと前に申し上げたことがあります。やはり、これだけの大震災が起こって一時政治休戦はしても与野党一緒になって当面1年なり2年なり同じ内閣をつくって、そこで復興対策を前進させるべきではないかと申し上げたことはあります。ただ、今の状況を見ていると、大連立ができる時期というは復興のための組織を4月とか5月頃に本部をつくるという話がありましたが、やはりやるのであればあの組織をつくる時に大連立ということだったと思います。今となってみれば、一応復興のための組織もできて、そして批判はありますけれども復興のための様々な事業は進んでいるわけです。同時に次なる衆議院選挙も当然、国会議員は視野に置かなければならない時期に来つつあるわけですから、 今の時期で大連立というのは難しいのではないかという感じがいたします。
それから増税については、確かに復興の財源を確保していかなければならない。当面復興債で賄うとしても、その財源としては今の財政事情からすれば何らかの増税をしていかなければならない。これは私はそうあるべきものだと思っております。ただ、今の円高が非常に厳しくなってきて今の様な円高の状況では、昨日もある中小企業と話しましたけれども、これは大変なことです。これがもし定着するようなことになれば、日本経済は本当に大変なことになると思います。そういう状況でありますので、復興債を発行して第三次補正をやるのはいいのですけれども、今の時期、増税の議論はなかなかできにくいのではないかという感じがいたします。円高がもう少し収まるところに収まってこないと現実に所得税、法人税から消費税� ��増税の議論というのはできないだろうと思っております。
円高の影響について
記者
知事の方から円高の話がありましたけれども、現状、歴史的な円高水準ということで、県内経済がどういうような状況でどう把握されているかということについて、教えていただきたいのですが。
知事
まだ海外から帰ってきたばかりで、詳細な今の状況について担当部局から話を聞いているわけではありませんけれども、今も話をしたように、何人かの中小企業者の皆さんと話をしていて、非常な不安を持っておられます。まだ具体的に円高の影響が出ているという状況はないです。受注ががさっと減るだとかそういう状況にはないのですが、このまま70円台とかそういうところで、円高の水準が定着するようなことになると、これは大変なことになるだろうということは、皆さん共通して言っておられることです。経済への影響は、そういう意味で、ガソリンが少し下がったりとかはあるようですが、まだ具体的に出てきていないと思います。一方で、中小企業者の皆さんに、いろいろな原材料となる金属関係が下がっているかと言え� �、ぜんぜん下がっていないわけです。だから、円高の影響はまだ出てきていないわけですが、これはいつか出てくるわけです。特に(円高が)定着するようなことになると、非常に大きな影響が出てくると思っているわけでありまして、そういった事態をよく注視しながら、対策を取っていかなければならないと思っております。また、円高については機会を見て、この記者会見の場でまとめてお話をすることもあると思っております。
放射性物質による影響について
記者
放射線の影響で、この春から夏にかけて観光客が減少した部分があるのですが、秋に向けて、また紅葉を求めるような観光シーズンに入る。一方で、農産物の方も、風評被害等で販売状況も悪化するという状況もあるかと思うのですが、その辺について現状の影響がどの程度だと認識されておられるか。そして、その上で、今後どのように対応していくお考えなのか、その2点をお伺いしたいのですが。
知事
福島原発の放射線の影響については、既にご案内のように、春は風評被害があったということがあるし、また電力不足による計画停電に伴って、観光にも大きな影響が生じたわけです。観光について言えば、3月、4月は大きく落ち込みましたけれども、ゴールデンウィークに少し回復して、国内観光が主に回復し、いわゆるインバウンドもそれにつられながら回復するという状況が続いてきていると認識しております。国内観光について言うと、7月、8月の夏のシーズンは、富士北麓とか八ヶ岳南麓についても話を聞いておりますが、全体として回復している。どちらかいうと、津波の影響で海側が敬遠されたということもあり、山ということもあって本県の観光地は、この夏のシーズンはまあまあということではなかろうかと、もちろん 事業者によっては違いますが、そういう感じはしております。それからインバウンド観光については、この間、東南アジアに行ってきましたけれども、中国がまだ回復は鈍いですが、台湾、香港、その南のタイ、シンガポールの方は、放射線の影響はあまり問題にしておりませんで、もちろん福島など東北は別ですけれども、どんどんお客を送って、大体前年並みになりつつあるという状況ですので、回復しつつあると思っております。秋のシーズンがどうなるかということでありますけれども、これは今の傾向がさらに強まるようにPR活動、誘客活動を強めていくということになると思っております。
それから、農産物の販売については、おっしゃるように多少影響があったわけでありますけれども、むしろ例えばモモについて言うと、最初に出始めた7月くらいの時点、その前にハウスもありましたが、悪くはなかったということだと思います。例えは7月に私は東京の市場、大阪の市場に行きましたけれども、値段は大体去年の2割ないし3割くらい高い高値の水準でありました。言うまでもなく、モモもブドウも今年は非常にできが良いわけです。他のところ、例えば福島とかそういうところが、出るのが遅れているところがあって、7月は非常に値段が高値で推移したわけです。通常であれば7月15日くらいから全国のモモが出てきて値崩れが生じるのですが、そういう値崩れも7月中にはあまり生じなかったと聞いております。8月に入り まして、8月の前半くらいから福島のモモが出てきて大体前年並みになり、8月の後半になって今は前年よりも落ちてきている。これはどこかの新聞にも出ておりましたけれども、福島のモモが従来個別取引で売られていたものとか、直販で売っていたものが市場に出たということがあり、モモの値段は今の時点は非常に下がっているという状態であります。ただ、モモについては山梨のモモはほとんどが出てしまっている。今残っているのは1割くらいしか残っていない。山梨のモモの大部分は8月前半で出終わっておりますから、まだ1割くらいが残っているという程度ですので、全体としてはもちろん農家によって悪いところもありますけれども、値段が高い時期に出した農家は良かったということだと思います。ブドウはこれからですけ� �ども、価格的には今のところ大体前年並みか前年より少し低い水準という状況のようであります。これからの推移をよく見守っていきたいと思っております。当面の対策というのは、特に何か具体的に取らなければならないことは思い当たりませんが、よく農協組織とも相談しながら、PR活動は常に続けているわけでありますので、そういうことをはじめとして必要な対策は打っていかなければならないと思っているところであります。
(以上)
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